新人類ローリング80 Vol:1 筑紫哲也さん

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    朝日ジャーナル 昭和60年5月24日発行 
    編集長:筑紫哲也 発行所:朝日新聞社 

    新人類ローリング80 Vol:1 筑紫哲也さん

    サブカルチャー。
    宝島、フールズメイト、びっくりハウスといった雑誌があった1980年代。

    朝日新聞社の発行していた週刊誌「朝日ジャーナル」という雑誌があり、後にTBSテレビ「NEWS23」のメインキャスターを長く務められた筑紫哲也さんが編集長をなさっていた。

    その雑誌の企画に「新人類の旗手たち」という見開きグラビア6ページにわたる目玉コーナーがあった。

    朝日ジャーナルが毎週、若者で目立った活動をしている人を紹介するコーナーだった。

    その連載で取り上げられた人物は作詞家の秋元康さん、女子大生(当時)の辻本清美さん、ピアニスト小曽根真さん、コラムニスト泉麻人さん、劇作家の平田オリザさん、エンジニアの西和彦さんなど同世代の代表34人。


    僕はその連載の第6回目に取り上げられた。
    電車の中吊り広告に「新人類の旗手たち」のグラビア写真が使われたので、僕は初めて自分の写真を山手線の中で見る。

    朝日ジャーナルの企画タイトル「新人類」という言葉は当時大変な流行語になり、少しわかりづらい、若者文化を代表する人物は「彼は新人類だからねえ、、、」という風に揶揄された。

    その取材で銀座の朝日新聞社最上階の部屋で筑紫哲也さんのインタビューを受けた。
    僕は当時流行していた、K'sファクトリーという極彩色のトレーナーを着て朝日新聞社に行った。

    だだっ広い大きなテーブルのある部屋に通され、筑紫さんと二人きりの対談だった。

    まず僕が筑波大学出身だという話題から入り、理系なのに音楽をやっているのは珍しいんじゃないか?という風なことを聞かれた。

    そして山海塾と一緒にワールドツアーに出かけたときの話をした。

    世間話のような雰囲気だったが、筑紫哲也さんの「はあ、はあはあ」という話し方が印象的で「ああテレビでよく見かける人がここにいる」と思った。

    その日は音楽について、筑紫さんとかなり突っ込んで話した。

    サザンオールスターズの桑田佳祐さんのような、洋楽を手本にしたメロディーに日本語を乗せて歌うスタイルのバンド、そして松田聖子に代表される歌謡曲が当時の主流だった。

    そこに戸川純ユニットのような日本の音階をベースにした音楽が突如現れた。

    そのアルバムは当時発明されたばかりのサンプリングという技術を使い
    オーストラリア製のフェアライトコンピュータという音楽用コンピュータをほぼ全編につかった衝撃的なアレンジだった。

    フェアライトは当時、家一軒買えるくらいする値段の楽器で日本に数台しかなかった。一日のレンタル料金が10万円以上したが、そもそもそれを扱えるオペレーターが日本に数人しかいなかった。
    それを駆使してアルバムを作った極東慰安唱歌は、日本で初めてフェアライトCMIのみでアレンジされたアルバムだったと思う。


    新人類と呼ばれる僕達が懐古趣味ともいえるような和風なメロディーを好むことを不思議がられた。
    そういう音楽を好む若者達が突然多く現れたことの理由を色々聞かれた。

    当時サブカルシーンにいた若者達は、びっくりハウスに代表されるような、少し外した感じの文化を好んだ。

    「へたうま」という言葉もはやった。蛭子能収や霜田恵美子のような極端にデフォルメされたマンガが流行した。
    それはマジョリティーではなかったが、渋谷パルコ、西武の発信する文化が一部の若者に熱狂的にもてはやされた。

    オタクという言葉が現れたのもこの時だ。
    そしてそのサブカルを代表するアーティストが戸川純だった。

    世間話のような流れでインタビューを受けていると、突如鋭く切り込まれる話題が繰り出され、僕は時々しどろもどろになった。毎週の連載のインタビューなのに、対象とする人物の周辺の状況やちょっとした僕の落書きのような絵に、興味をもたれたりして、驚いた記憶がある。
    そしてそのときの記事を今あらためて読んでみてさらに驚いた。僕の本質は何十年も変わらず、まさにその、僕そのものという言葉でインタビューが締めくくられている。

    最後のパートのサブタイトルは
    「自分の曲が音になった瞬間の感動」

    インタビュー記事、締めくくりの言葉は
    「僕、やっぱりメロディーが好きだと思うんですけどね、純ちゃんが僕の歌を最初に歌うとね、凄く感動しちゃうんです。これはすごいなと思って。曲が実際に音になった瞬間が凄く楽しいからやっていくという感じですね。」


    次回の「新人類ローリング80」はイラストレータの蛭子能収さんです。

    その後
    ムーンライダース
    プリンセスプリンセス
    竹内均 (東京大学名誉教授)
    たま
    スーちゃん (キャンディーズ)
    高橋 幸宏
    野宮真貴
    村井邦彦
    他の方々の連載を予定しています。



    テーマ : 日本文化
    ジャンル : 学問・文化・芸術

    2012-06-10 : 新人類ローリング80 : コメント : 0 : トラックバック : 1
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